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Z世代の美容に関する意識調査

目次

コロナ禍で様変わりした美容意識!マスクを外してもギャップが生まれないための工夫とは?「口コミリテラシー」が高く、冷静な姿勢で情報に接するZ世代。インフルエンサーには企業に左右されない「主観」を求める。

【Z世代の美容に関する意識調査トピックス】

【1】コロナ禍で様変わりしたZ世代の美容意識!マスクを外してもギャップが生まれないための工夫とは?

今回の調査では、コロナ禍前後で変わりゆくZ世代の美容に関する価値観を調査しました。まず初めにマスクの着用状況※図1について聞いてみると、「状況に合わせて外している(着けている事が多い)(39.0%)」「常に外していない(34.2%)」を合計した73.2%の若者がいまだマスクを着用している時間が長い生活を送っていることがわかります。(2023年4月現在)

図1 Q.あなたのマスクの着用状況を教えてください。 [単一回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

マスクを外していない理由※図2を聞いてみると、全体では「自分の感染を防ぎたいから(46.2%)」「習慣化してしまったのでなんとなく(45.4%)」「マスクの下の顔を見られるのが恥ずかしいから(43.9%)」が上位の理由として挙がりました。周囲からの同調圧力というよりは、単に感染対策や自分の判断でマスクを外していないことがわかります。ただし回答者を大学生と高校生で分け、高校生だけを抽出してみると、上位3つの内容は変わらないものの、「周囲の人が外さないから(41.1%)」も回答数が多くなっており、大学生に比べ、学校など特定のコミュニティで過ごしている高校生のほうが周囲の目を気にしていることがわかりました。 

図2 Q.あなたがマスクを外していない理由を教えてください。 [複数回答]

n= 403(高校生:202 /大学生・短大・専門学校生:201 )

実際にグループインタビューでは、「マスクを外したときの(相手が予想している自分の顔との)ギャップをどうしても考えてしまう。事前に『マスクを外すの緊張する』と言ってハードルを下げるようにしている(大学3年生)」「コロナ禍で太ってしまったので、マスクを外すなら痩せたい(高校3年生)」という回答が聞かれました。 

次に、コロナ禍前から現在までの美容に関する意識について調べてみると、環境に合わせて変化していることがわかりました。

コロナ禍前からコロナ禍で意識が高まったもの※図3は「目元のメイクやケア(51.1%)」「スキンケア(47.2%)」「ヘア関連(47.0%)」が上位にあがりました。実際にグループインタビューでも、「マスクをすると目元だけが見えるので、アイメイクの練習をしたり、アイメイクに関する動画を見始めた(高校2年生)」「写真のときに目元だけ映って目立つのでまつ毛パーマを始めた(大学4年生)」という意見や、スキンケアに関しては「垢抜けるには髪と肌のケア必須と言われ、特にスキンケアを意識するようになった(大学3年生) 」「コロナ禍で自分磨きへの関心が高まったと思う。メイクでもキレイになれるけど、ノーメイクでもキレイにならないと、自分が嫌な気持ちになる。グルテンフリーを実践し、特に食生活に気をつけてインナーケアをしている(大学3年生)」「自炊をはじめて、栄養バランスを気にするようになった(大学3年生)」という声が聞かれました。

図3 Q.コロナ禍前後での美容におけるあなたの意識の変化について、あてはまるものを教えてください。  [単一回答]

 n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

コロナ禍から現在で意識が高まったもの※図4は「スキンケア(55.5%)」「目元のメイクやケア(53.2%)」「ヘア関連(50.0%)」「コスメそのものへの興味関心(49.5%)」「口元のメイクやケア(47.5%)」と全体的にコロナ禍の変化よりも数値が高く、コロナ禍で高まった美容意識が、さらに現在も高まっていることがわかります。グループインタビューでは「マスク生活になり、ファンデーションがマスクにつくのが嫌で使わなくなった。代わりに下地に(値段が)高いものを使い始めたら、肌への負担がかからないことに気づき、今も続けている(高校3年生)」「コロナ禍になって肌悩みに向き合うようになった(大学3年生)」という意見が聞かれ、コロナ禍に一度得られた気づきや、それによって変容した行動形式はコロナの影響が落ち着いても継続していくものと思われます。

さらに、「マスクを取ったらフェイスラインが見えるのでむくみ防止のドリンクを飲んでいる。シェーディングも強くするかも(高校3年生)」「コロナ禍前は濃いめリップが好きだったけど、マスクを外した時の印象の差を減らすためにコロナ禍はベージュ系にしていた。今後はグラデーションを取り入れつつ徐々に戻していこうと思う(大学2年生)」「友だちと会うようになるので、リップやシェーディングをまたやるようになるかもしれない(大学3年生)」など、マスクで隠れていた部分に関する美容意識の高まりや行動変容もみられます。

図4 Q.コロナ禍前後での美容におけるあなたの意識の変化について、あてはまるものを教えてください。  [単一回答]

 n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220)

最後に美容整形について、「美容整形をしたことがある(予定がある)・興味がある」層は45.0%、「美容整形はしない・興味はない」層は55.0%※図5となり、整形への興味は大きく半数に分かれているようです。

図5 Q.あなたは美容整形についてどのように考えていますか。  [単一回答] n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

【2】 PR投稿は「存在して当たり前 」、悪い評価も重視……Z世代の「口コミ」との付き合い方  

次に美容情報の収集方法※図6について調べたところ、スキンケアやメイクアップコスメ、ヘアケア、ボディケアいずれに関しても、「Instagram」「動画配信サービス」「TikTok」「口コミアプリ・サイト」「Twitter」が上位5つになりました。さらに、その中で情報の信頼度を見極めるためにチェックしているポイント※図7を聞くと「良い評価・口コミ(65.8%)」「悪い評価・口コミ(50.0%)」「商品の使用感が分かる画像・動画(35.6%)」「ブランド・メーカー(31.4%)」「口コミ数(26.8%)」となっています。

図6 Q.あなたは普段美容に関する情報をどのように知りますか。あてはまるものをすべて教えてください。  [複数回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220)

図7 Q.美容に関する情報の信頼度を見極める際にチェックしているポイントを教えてください。[複数回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

グループインタビューでは、「Instagramの投稿は嘘っぽくて、光で誤魔化しているのではないかと思うことがある(高校3年生)」「動画配信サービスはPR投稿が多くて見なくなった。Twitterで一般の人の意見を見ている(高校3年生)」「インフルエンサーは信用していない。一般人の口コミを口コミアプリで見ている。悪い評価と良い評価の両方を見て、悪い評価が許容範囲内なら購入する(高校3年生)」「投稿は大体PRだと思っている。メイクを仕事にしている人の投稿を中心に、いろいろなSNS投稿を見て判断している(大学4年生)」「まず確認するのは悪い口コミ。良くない口コミを中心に見て、悪い評価があれば保留。店舗で見に行って良い商品だと判断できたら買う(大学3年生)」という意見がありました。

美容情報について「あなたはどのような発信者の情報を参考にしていますか」※図8という質問では、「説明が丁寧・わかりやすい(37.8%)」「美容の専門知識がある(37.6%)」「有名である(36.5%)」「自分と肌質や肌色が似ている(32.3%)」「写真や映像がリアル(加工感が無い・自然な明るさ)(27.5%)」が上位となりました。

図8 Q.美容に関する情報において、あなたはどのような発信者の情報を参考にしていますか。  [複数回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

グループインタビューでは、「フォロワーが多い人の投稿は信用しているし、紹介している商品の容量が減っていると本当に使っているんだと思えて信用できる(高校2年生)」「話が面白くて、説明もわかりやすいインフルエンサーが好き(高校2年生)」「PR投稿はしませんと明言してくれているインフルエンサーは信用している(高校3年生)」「私の好きなインフルエンサーは説明が論理的だし、メイクを研究してきたことが伝わるので信用している(大学3年生)」「インフルエンサーたちの商品説明が似通っているとPRを疑う。PRだとしても良い商品だと思ったら店舗で確認して購入している(大学2年生)」という声がありました。

これらの結果やインタビューの内容から、PR投稿が溢れていることは織り込み済みで情報収集をし、商品の魅力だけではなく、欠点についても情報収集したうえで、様々な情報を組み合わせながら商品購入に至っていることがわかります。

次に、SHIBUYA109 lab.のトレンド大賞でも数年間取りあげている「診断コンテンツ」について聞きました。様々な診断(パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断、肌診断)について、どの診断についても、「診断を受けたことがあるまたは興味がある」層は7~8割にのぼり、実際に「診断をした」層も、2〜4割存在している※図9ことがわかりました。

図9 Q.診断系サービスについてあなたの利用状況を教えてください。  [単一回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

診断の活用方法※図10を聞いてみると、「診断結果を参考にしつつ自分の好きなものを選んでいる」が52.9%となり、圧倒的に多くなりました。診断サービスの良さ※図11として「垢抜けられる・自分をよりよく見せられる(55.6%)」「自分に似合う・似合わない理由が納得できる(49.8%)」「買い物をする際に選びやすくなる(49.8%)」が上位になりました。

図10 Q.診断系サービスをどのように活用していますか。あてはまるものを教えてください。 [単一回答]

n= 225 (高校生:121 /大学生・短大・専門学校生:104 )

図11 Q.あなたの思う診断系サービスの良さを教えてください。 [複数回答]

n= 225 (高校生:121 /大学生・短大・専門学校生:104 )

グループインタビューでも、「もともと自分の好みと診断で似合うと言われていたものが一緒だった。自分が似合わないものの理由がわかったし、コスメを購入する際の選択肢が絞られて選びやすくなった(高校3年生)」「コスメアイテムに自分のパーソナルカラーに似合うと書いてあると試したくなる(高校3年生)」「自分で似合うものは自分で探したい。診断はそのためのサポート(大学3年生)」「店員さんに診断を参考に商品を勧められると『自分で(似合うかは)決めるから』と思う。自分で似合うものは研究しているので、型にはめすぎずに考えたい(大学2年生)」「自分の好きなものは変えたくない。好きなものを身につけているほうが(毎日を)楽しめる(高校3年生)」という回答が聞かれており、診断結果を参考にするものの、うまくその結果と付き合いながら自分の意志で似合う美容アイテムを見つけていることがわかります。

【3】自己肯定感を高めたいZ世代が約8割。見た目の理想は「顔」だけではなく「雰囲気」も大事。

最後に、理想の自分についても聞いてみました。「自分に自信がある」か聞いた質問では「あてはまらない」と回答したのが67.0%となり、さらに「自分の存在には価値がある」かという質問に対しても、「あてはまらない」という回答が53.2%※図12となりました。

図12 Q.自己肯定感についてあなたにあてはまるものを教えてください。  [単一回答]

n= 436(高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220)

「自己肯定感が高いと思う」という質問についても「あてはまらない」が67.5%となっています。「自己肯定感を高めたい」かという質問に対しては、「あてはまる」が77.7%となりましたが、「自己肯定感を高めるためにしていることがある」という質問に「あてはまる」と回答したのは39.0% ※図13となり、半数以上が具体的に自己肯定感を高めるための行動をしていないことがわかります。

図13 Q.自己肯定感についてあなたにあてはまるものを教えてください。  [単一回答]

n= 436(高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220)

一方で、見た目の理想について※図14最も回答が多かったのが「特定の人はいないが、なんとなく理想の系統がある」で31.0%であり、「なりたい顔がある」と回答したのが20.4%でした。特定の誰かではなくぼんやりとした好みの系統に対して、アプローチしていることがわかります。

図14 Q.あなたの見た目への意識と理想像についてあなたにあてはまるものを教えてください。[単一回答]

n= 436 (高校生:216 /大学生・短大・専門学校生:220 )

理想の見た目への近づき方※図15についても、「理想の人に雰囲気などを近づけたい/似せたい」が52.4%で最も多くなり、普段から画像・動画SNSを駆使してビジュアルコミュニケーションを頻繁に行い、ビジュアルが持つ世界観や雰囲気に関する感覚が優れているZ世代は、見た目の理想についても「雰囲気」を重要視していることがわかりました。

さらに、理想に近づくためにやっていること※図16を聞いてみると「スキンケア(66.4%)」「ダイエット・ボディメイク(57.9%)」「メイクの工夫(50.0%)」「ヘアアレンジの工夫(46.4%)」「ファッションを真似する・変える(36.9%)」が上位に上がっています。実際にグループインタビューでも、「理想の顔の女優はメイクも薄いため、メイクでは近づけない。それよりも顔痩せするために塩分を避けるなど、日々の生活から近づけていく。(高校3年生)」「憧れの顔に近づけると評判のカラコンを買ってみたが、自分には似合わなかったので使っていない(大学3年生)」「昔は憧れの人のスタイルブックなどを買って研究していたが、今は、自分は自分であって他人と比べるものではないと思い始めた(大学3年生)」などの回答が聞かれ、メイクで顔などを近づけるよりも、肌や体型の管理などの基本的な部分を見直すことによって、理想に近づこうとしていることがわかりました。

メイクの目的に関しては「自分のためにやっている。見た目の変化が楽しいし、思い返してみると見た目が良いほうが周りの反応もいいのではないかと思った(大学4年生)」「男女両方に『モテ』たい。モテというのは『仲良くなりたい』『良いね』と思われたい、ということ(大学3年生)」「メイクを知って、自分の顔の特徴を知り、受け入れることができて自分を好きになれた。自分に合っていると思えるメイクを研究して見つけたことによって、周りの目線を『気にしてもしょうがないや』と思えるようになった(大学3年生)」という回答があり、あくまで自分の満足度を高めることを目的としながら、身の回りの人との良好な関係性のためにメイクを楽しむ姿が見られました。

最後に理想の見た目としている相手※図17は、高校生では「動画配信者・インフルエンサー(57.4%)」「芸能人(51.6%)」の回答が多く、大学生では、同じく両者が多いものの「芸能人」が54.5%、「動画配信者・インフルエンサー」が35.7%と大きく差が生まれています。

【4】「口コミリテラシー」が高く、冷静な姿勢で情報に接するZ世代。インフルエンサーには企業に左右されない「主観」を求める

Z世代の美容に対する意識は、コロナ禍の状況に合わせて変化しています。自宅で過ごす時間が増加した2020~2021年はスキンケアやヘアケアに注力し、マスクでの外出が増えた2022年はマスカラやつけまつげなどマスクをしていても見えるアイメイクがトレンドとなりました。 2023年はマスクの着用も減少しフェイスラインを見せる機会が増えることが想定されるため、フェイスライン関連のアイテムが注目されそうです。

【引用】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000033586.html

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